日本の違憲審査制の限界

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国民が訴訟を提起する場合、自己の法律上の権利利益の侵害を理由としなければなりません。これを主観訴訟といいます。憲法問題は具体的な事件を解決する限度でのみ審理判断され、ある法律自体の違憲性を争うことはできません。主観訴訟に対して客観訴訟とは法律により特別に訴訟を提起する権利が付与されている場合のことをいいます。行政事件訴訟法上、民衆訴訟と機関訴訟がこの訴訟類型に属します。例えば地方自治法上住民訴訟が法定されていますが、これは民衆訴訟です。地方公共団体の住民は自己の法律上の権利利益の侵害を理由とすることなく訴訟を提起することができます。住民訴訟により知事や市町村長の違法な財産処分や怠る事実を争うことができることになり、地方公共団体の財産秩序を保護するため重要な訴訟です。住民訴訟を提起するためには、監査請求前置をしなければならないことに注意が必要です。国又は地方公共団体相互間における権限の存否又はその行使に関する紛争について行う訴訟を機関訴訟といい、地方自治法上いくつかの訴訟類型が定められています。このように、地方自治法は住民の権利利益の侵害がないため主観訴訟を提起することはできませんが、地方公共団体の秩序を維持するため重要な法律であるといえます。